英語と国語の関係、国語ができれば英語力も上がる!?

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ついに英語で落ちこぼれるのは日本だけになるのか・・・

“To stop the flight of their best and brightest to the Ivy League,
top Asian universities are moving to give many, even most,
of their courses in English”
(Newsweek)

(自分の国のベスト アンド ブライテスト (最も優秀な人々)が
アイビーリーグへ流出するのを止めるために、アジアのトップランクの
大学は、英語での授業を増やしている。)

韓国はその中でも熱心なようで、私立で最も名声のある大学のひとつ
Yonsei大学は、UIC(the Underwood International College)を設立し、
授業をすべて英語で展開している。

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費用面で米国留学がかなわない学生の人気を集めているようだ。

 

今までは、アジアの優秀な学生たちは、米国やヨーロッパのトップ大学へ留学し、
“The big name diplomas they earned – and English fluency they
gained – guaranteed success.”
(Newsweek )

高い授業料と生活費も、米国一流大学の学位と 英語の流暢さで、
ペイし、結局は成功を保証していた、ということらしい。

確かに米国の大学(院)は、特に一流校といわれるところは、

近年授業料が高騰している。

 

たとえば、ペンシルバニア大学だと年間3万2千ドル(大学部)。
授業料だけで4年間で1400万円くらいかかる。これに生活費が
加わる。

ハーバード、スタンフォード、他のアイビーリーグも似たり寄ったりだ。
やはりこれは 後でいくらカバーできるといっても、ハードルは高い。

韓国の大学が、ここに目をつけたのも、ナント韓国では、
小学生から大学院生まで、なんと20万人もの韓国人が
留学しているんだそうだ。

そのうち4分の1は、米国に留学。

 

単身赴任ならぬ “lonely geese”一人ぼっちのガチョウ族、
子供と母親が留学先で生活し、韓国で働く父親が仕送りをする
という家族形態が社会問題にもなっているらしい。

ここに、目をつけたのが、韓国の一流大学陣。

それにしても、韓国自体の、国際化というか上昇志向が
見て取れる気がする。

 

日本は大丈夫なんだろうか、と心配にもなってくる。

 

といっても深刻になることはない、という意見も、ある。

「国家の品格」がベストセラーになった御茶ノ水大学教授 数学者 藤原正彦氏。

別の著書「祖国とは国語」によると、

「英語教育を強化拡大し英会話能力を育てるため小学校から英語を導入する、
など言うと聞こえはよいが、これは他教科の圧縮を意味し、国民の知的衰退を
確実に助長する。愚民化政策と言って過言でない。」 (祖国とは国語 P50より抜粋)

など 英語に時間を割くことは「知的衰退」「愚民化政策」になるから止めるべき、
と主張する。
さらに、

「基本的に英語は、必要にせまられている人やエリートを目指す人々が猛勉して
身につければよいものである。」(祖国とは国語 P50より抜粋)

私の本音を言うと、英語を日本人1億3千万人ができるようになる必要はないと
思っている。

また、著者と同じように、何より国語。国語が算数など他の教科の土台であり、英語力についても 母語である日本語が優秀なほど 習得率も高い。

 

最近はやりの、インターナショナルに子供を入れるという親がいることが、
とても不思議でならない。
きっと親自身の英語コンプレックスがそのまま子供の教育につながってしまった
んだろう。

母語ができなくては、論理的思考能力は育たない。
これは帰国子女を例にとるとよくわかる。
最もバイリンガルに近い状態になるケースは、母語が完成した後、海外赴任した
人たち。

中学生くらいで海外へ行き6年間過ごして、日本に戻る、または海外大学へ進む、というカテゴリー。

 

少なくとも、小学校の間は、かなりきっちりと、国語力を身につけるのが、
のちのちの、論理力、教養力につながる。 英語も国語の能力の基礎があるか
無いかで伸びは大きく異なる。

なので、1に国語、2に国語、3,4がなくて5に数学という 数学者の藤原氏に同感。

本音を言うと、人口の5%が英語ができるだけで十分かとも思う。
それだけで、約675万人にもなる。

675万人の日本人が英語ペラペラ状態というのは、ちょっと想像できない。

この675万人というのは、実は海外の人から見て、「日本人」と映る人たち
ではないだろうか?

つまり、海外と直接接点を持つ人たちだ。

閣僚、政府高官、企業のビジネスマン。研究者。
これに、ボランティアで鎌倉などの観光地を案内するガイドの人たちなど、
英語が楽しくてぜひ学びたいという人たち。

これで675万人。十分カバーできる。
100万人でも十分では?

問題は、この人口の5%、「英語必要です」という人たちでも、
英語のレベルは、心もとないということではないだろうか?

歴代首長で、英語が達者だったのは、宮澤喜一元首相くらいではないだろうか?

安倍首相が、ブッシュとの会談を 通訳なしの英語でする。
アジア諸国にいって、英語でスピーチをする。

アメリカ副大統領が、日本訪問時には、麻生太郎外務大臣が英語で会談に応じ、
その他の閣僚も、随時英語での会談をこなす。

他の国では当たり前のことではないの??

「英語必要です」という人たちで、最も大きな割合を占めるのが、ビジネスマンだろう。
会社を代表する人たちはもとより、直接海外と折衝したり、マネジャーとして
海外へ赴くビジネスマン、外資系企業で働く人。

こういった人たちの英語力は、「私英検3級です」というレベルではなく、
立場にふさわしい英語力が求められる。

この層の人たちの英語力がもし、総じて
「自分の意見を滞りなく言い、CNNニュースを理解し、TIMEを読み、
英語でレポートをまとめる」レベルであれば、日本は一気に英語先進国に
なるのでは?

「日本人は、みーんな英語ペラペラだよ」という国策じゃなくて、
「100万人は、完璧に英語使えます。もちろん、国語をしっかり学んでいるので
論理力もあります、教養? 私たち、の心を持つ日本人ですよ」というのが、
最も現実に即しているんではないかと思う。

日本の中高生は 英語の勉強に全体の3分の1を割いている。
もっとバランスをとったほうがいいかもしれない。

「何がエリートだ!」 こんな声も聞こえる。
私もこの表現には抵抗があるので、「日本人代表として英語を習得すべき
人たち」と言い方を変えてもいい。

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