英語とチンパンジーに学ぶ大志を抱く方法

類人猿の研究をしているという珍しい方にお会いできる機会があった。

その方にお伺いした面白い話だが、チンパンジーにも人望があるそうだ。

チンパンジーは、ご存知のとおり、群れをなす。

この発展したものが、まあ、人間様の家族であり、会社組織なんだろう。

で、秩序もあって、順位もある。

順位は絶対で、手下のものは、どんな理不尽な命令でも自分より格上のチンパンジーには逆らえない。

やっと苦労して手に入れたりんごを、いともカンタンに格上のチンパンジーに奪われたりしてしまうのだ。

そんな残酷な?

チンパンジーの世界でも人望が社会的地位に勝るらしい。

ボスの座を占めていたチンパンジーは、それは人望のあるヤツだったらしい。

まず メスにとてもやさしい。

困ったことがあったら、何でも俺に相談しな、というような感じである。

人間にたとえたら、寅さんみたいなもんだろうか?

子どもの面倒も良く見るし、けんかの仲裁も買って出た。

腕力のみならず、人格(チンパンジー格か?)でも、トップの座にふさわしいヤツだった。

しかし、年には勝てない。

トップの座を狙う競争社会であるのは、人でも類人猿でも同じようだ。

年取ったボスチンパンジーに、やがて若い一匹のチンパンジーが頻繁に暴力を振るうようになる。

ボスの座はあっけなく、若いチンパンジーに明け渡された。まあ、これはしょうがいないところである。

動物園とはいえ、本能的にチンパンジーの群れは 他の群れとの戦いに勝たなくてはいけないのだから、強いものが必ず群れの中に必要になる。

しかし、この若いチンパンジーが、年老いた元チンパンジーに暴力を振るおうとすると、メスチンパンジーたちが、みんないっせいに若いチンパンジーに歯向かっていくそうだ。

そして、みんなで年老いたチンパンジーを守る。

腕力では、メスではとてもボスにかなわないが、殴られてもけられてもこの若いチンパンジーに歯向かっていくそうだ。

皆さんからのコメントにも、自分のスコアを伸ばして課長昇給試験に合格したいという近視眼的なものよりも、英語を使ってもっと大きな夢を実現したい、そのために自分を切磋琢磨したいというような内容に変わってきている気がする。

自分のささやかな成功だけ考えていても、本当に心のそこから充実感を得ることが難しいことをみんな知っているんだろう。

ホンダ創業者の本田宗一郎氏のように、「世界が俺を待っている」くらい、大きな夢があると、成すことも大きくなるんでしょうね。

映画というのは、その自分の人生を捨ててまで、世のために尽くす、というものがやっぱりウケるのもそのためでしょう。

映画「13デイズ」にも、自分の力で、何とか米ソの戦争を回避したい、という連中の白熱した議論が見ものだ。

それを成し遂げるには、理念を支えるだけの、交渉力も必要なわけだが、下記のようなやり取りを実際自分でできたらどんなに爽快だろうかと思ってしまう。

ちょっとした英会話のフレーズの練習、英語力の向上にもなるのでちょっと引用したい。

在米大使館のソ連大使との交渉を任された大統領側近の一人Bobbyは、そんな大役を自分にできるか不安に思う。

そんな、心中を知ってか、同僚のKenny(ケビンコスナー)は、ソ連大使館まで同行する。

その車中で、

Bobby “I promised the girls I’d take them riding tomorrow.”

娘たちを乗馬に連れて行く約束があるんだ。

Kenny “Make sure you keep that date.”

Bobby “We gave up so much to get here.
“I don’t know. Sometimes I think, what the hell did we do it for?”

ここまで出世するまで、家族はいろんなことを犠牲にしてきた、というところ、日本もアメリカも変わらないという感じだ。

Kenny “Well, I don’t know about you, but I’m in it for the money.”

大統領側近をやるからには、まあ報酬もいいだろう。カネ目当てでの仕事というのもうなずける。

Kenny “We knew we could do a better job than everyone else.”

それが可能なのも、自分たちに能力があってこそ。

Bobby “You know, I hate being called the brilliant one, the ruthless one.
The guy everybody’s afraid of. I hate it.”

エリートの持つ悩みだろう、頭がいいと思われるほどに苦悩が増していく。

Bobby “I’m not so smart, you know?”
“I’m not so ruthless.”

俺は、みんなが思っているほどに賢くないよ、非情じゃないよ、という裏に、俺にだって、家族を大事にし、みんなと楽しみたいっていう素直な気持ちがあるんだと訴えているよう。

Bobby “I don’t know if I can do this.”

Kenny “There’s nobody else I’d rather have going in there than you.”
“Nobody else I’d trust Helen and the kids’ lives to.”

君しか妻子の命を任せられる、つまりは米国全体の命運を任せられる人間はいない、といわれ、Bobby の腹がきまる。

そして、ソ連大使と見事な交渉を切り抜け、米国を危機から救う。

いま、苦しい状況にあっても、大きな大儀があれば、何でも乗り越えられる。

自分のためじゃなくて、他の人のために、と思うともっと大きなことができる。

この後の、ソ連大使とのBobby の交渉は、素晴らしいやり取りの連続だ。

ソ連というと、少し時代錯誤かもしれないが、穎川に使われている英語表現は決して古びていない。

ピチピチした英語ばかりだからぜひ堪能してください。