スピーキングは最終段階、つまり語学の仕上げ?

「私はスピーキングができるようになりたいんです。」「外資系に勤務していて海外との電話での会議がほぼ毎日、どのように英語力を伸ばせばいいでしょうか?」

このような質問をよくいただきます。

まず、あなたの英語力を伸ばすには、自分が英語上達の過程のどの位置にいるのかを把握することが重要でしょう。

なかでも、スピーキングができるように、海外の人と会話がしたい、という質問が多いように見受けられます。これは、英会話学校のCMのせいなのか、それとも自分が海外の人とかっこよく話している姿を想像してのことなのか、わかりませんが、やはり英語を学習するからにはぜひイメージどおりの自分でありたいですね。

スピーキングができる、ということは、ただオウム返しに丸暗記のフレーズを口から出すということとは違います。

自分のアタマで考え、その考えを表現することです。

言葉というのは、まず自分で理解していない言葉を発することはできないのです。
あなたは、いきなりフランス語を話せ、といわれて話すことができるでしょうか?
自分の中に蓄積のない言語を話すことは全く不可能です。「雨が降っている」という単純な表現でさえ、フランス語で「雨が降っている」という表現を「知っていなければ」話すことはできないでしょう。ですから残念ながら、自分の中に英語の蓄積がないと英語をしゃべるという段階には到達できないのです。

I can speak English. とか I wan to go to shopping. とか話すことはできる、という方もいるかもしれません。
けれでもこれは、ホントに話しているというのではないのです。
「話す」というのは、相手が言った内容を自分なりに解釈して、さらにそれを自分の意見としてまとめて相手に「自分の意見を言う」ことが基本です。
I can speak English. はただ覚えていたフレーズを、相手の内容にかまわずとにかく「発声している」に過ぎません。
このため、いくら英語のアンチョコでフレーズをたくさん覚えていてもそれが役に立たないのです。

つまり、まず、相手の言葉を聞き取れないといけないし、それからそれを理解できないといけない。

じゃあ、どうやって理解すればいいのか?
これが、今までの方法だと、英語を読んでそれから日本語に訳して、という方式をとっていました。
いわゆる戻り訳です。そしてこの戻り訳をしている限り、なかなか英語を聞きながら内容を理解していく段階には到達できないのです。なぜなら、話されている英語は、戻り訳のように、日本語の語順にはなっていないし、日本語にいちいち訳していたら、意味を理解する前に話がどんどん先へ進んでしまうからです。

そしてさらに、どの英語教材や学校も触れていないのが、英語のまま音を聞き取ることの重要性です。


私はこの過程をおろそかにしてしまったために、日本人の英語力が全然上達しないのだと考えています。
英語というのは、音のバリエーションが日本語以上に豊富です。そのバリエーションは、単語と単語の結びつきによっても変化するので、ますます厄介です。それに引き換え日本語は基本的には「あいうえお」の母音で言葉の音は成り立っています。
そして、英語の教科書や学校の先生は、この日本語の「あいうえお」に英語音を置き換えてしまっている。だから、日本語にない音などは聞き取りをいくら練習しても聞き取れないという結果になってしまうのです。

整理しますと、語学の上達は次のようになります。
*音として認識する
*音が言葉としての意味をもつことを理解していく
*意味をもつ言葉がどんどん自分の中に蓄積されていく
*蓄積された言葉を組み合わせて、自分で表現していく

この最後の段階の「自分で表現していく」がスピーキングに当たるのですが、それができるようになるためには、その前段階のステップすべてをクリアしていく必要があるのです。

ぜひ、この最後の段階に到達するよう頑張ってください。